障がいや精神疾患・難病などをお持ちの方の就労に関する支援には、特定相談支援・就労移行支援・就労定着支援などがあります。
ディンクル就職支援センターでは、特定相談支援・就労移行支援・就労定着支援をスムーズに受けられるお手伝いをしています。
行政では、障害者雇用率を長年にわたり少しずつアップさせるなど、障がいや精神疾患・難病などをお持ちの方の就労を支援しています。
データ上では障がいや精神疾患・難病などをお持ちの方の雇用率は増えていますが、実際は6ヶ月、1年…と時間の経過とともに離職率も高くなっています。
雇用率だけでなく、定着率もアップさせるために、行政では新たに就労定着支援をスタートさせました。
しかし、現場である企業・事業所や、働く当事者も変化していかなければ、定着率の低さという難題はなかなか解決できません。
企業、障がいや精神疾患・難病などをお持ちの方々それぞれが、職場環境をよりよく、働きやすくするためにできることは、なんでしょう。
職場環境に大きく関わるオープン就労と就労定着支援についても、考えていきます。
就労定着支援を受けるためのオープン就労
就労定着支援を受けるためには、やはり企業側に障がいや精神疾患・難病などについて知っておいてもらうことが重要になります。
そこで、企業側に障がいなどを告知してから就職するオープン就労と、そうではないクローズ就労についてご説明します。
オープン就労と就労定着支援はセットになっている
オープン就労は、自分の障がいを会社側に伝えて就職する就労方法です。
就労に関する支援には、就労定着支援の前に就労移行支援などがありますが、これらの支援を受けて障害者雇用枠での就職を選んだ時点で、オープン就労が決まります。
就職活動、面接、就職という一連の流れは、就労移行支援を受けている時に行われるからです。
オープン就労にした場合は、相手企業も障がいのある方と理解して採用します。
そのため、企業の障害者雇用枠を活用した就職を目指す方にとって、選ぶべきは当然オープン就労ということになります。
また就労移行支援や就労定着支援では、支援サービスと企業との連携が重要になるため、オープン就労である必要があります。
クローズ就労では就労移行支援や就労定着支援を受けられない
クローズ就労は、自分の障がいや病気を会社に伝えないまま、一般求人に応募する方法です。
自分の障がいや病気を伝えないため、就労移行支援や就労定着支援などは使うことができません。
障がい者枠という狭き門を通る必要が無いため、求人はオープン就労と比べ物にならないほどたくさんあります。
また障がい者枠ではないため賃金も高めですし、正規雇用率も高くなります。
さらにより難易度の高い仕事にチャレンジしたり、成功させて昇進ということもあり得ます。
しかし、デメリットは少なくありません。
障がいや精神疾患・難病であることを会社に伝えられないため、精神的・肉体的につらくても、上司や同僚に相談できないという大きなデメリットがあります。
また心身の調子が悪くても休みを取りにくく、職場での合理的配慮も期待できないため、少しずつ追い詰められてしまう可能性もあります。
実際に、クローズ就労を希望した方の職場安定率は、3割を切ります。
参考:「障害者の就業状況等に関する調査研究No.137」
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku137.html
オープン就労のメリットとデメリット
オープン就労は、障がいや精神疾患・難病などを企業側に告知し、障がい者枠で就職することです。
オープン就労にも、メリットとデメリットがあります。
最大のメリットは、企業側に知ってもらうことで、就労定着支援や就労移行支援を企業も巻き込んで利用できるという点です。
さらに就職した後も、就労定着支援などの手を借りながら、合理的配慮を受けることができます。
そして何より、定着率の高さがポイントです。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究No.137」
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku137.html
によると、オープン就労で就労定着支援を受けた場合の職場定着率は、なんと9割近く。
クローズ就労と比較すると、3倍以上になります。
さらに、障害者雇用枠を利用するため、一般就職活動ではなかなか難しい、ネームバリューの高い大企業に就職できる可能性も高くなります。
デメリットとしては、障害者雇用枠での雇用になるため、求人数が一般求人と比べて少ないという点が挙げられます。
また一般就労と比較すると、障がい者枠就労の賃金は若干低めに設定されています。
仕事も画一的で同じ作業の繰り返し、といった部署に配置されることが多いようです。
オープン就労のデメリット対策が、就労定着支援ならサポートできます
オープン就労にはデメリットもあるとご紹介しましたが、就労移行支援や就労定着支援を受けることでデメリットをある程度カバーすることができます。
求人数は一般求人と比較すると少ないのですが、就労移行支援では履歴書・職務経歴書の書き方を教えてくれるほか、添削してもらうことが可能です。
また面接への付き添いも可能なので、就職活動はかなり心強いものとなるでしょう。
また賃金に関する不満や、仕事の内容に関する不満、もっと違うことができるスキルを持っているという主張も、就労定着支援を通じて上司に伝えることができます。
直接交渉することが難しいと感じることも、中に支援員が入ることで険悪な雰囲気にならず、双方の妥協点を見出していくことが可能になるのです。
就労定着支援ならサポート可能!企業における合理的配慮
【合理的配慮】という言葉を耳にしたことはありますか?
合理的配慮とは、障がいや精神疾患・難病などをお持ちの方が、健常な方と平等に人権を守られ、行使できるように行われる、個別的調整や変更などを指します。
合理的配慮は画一的に行われるのではなく、障がいを持つ方々ひとり一人の個性・特性によって起きる困難に合わせ、それを取り除くべく行われます。
障害者差別解消法や改正障害者雇用促進法などにおいて、事業者(企業)には障害者雇用枠で採用した障がいを持つ方々に対し、合理的配慮を提供する義務が定められています。
就労移行支援や就労定着支援であれば、企業と連携することで実現可能になる、さまざまな配慮についてご紹介します。
障がいや精神疾患に対する従業員の理解
まず、ディンクル就職支援センターでは、ご利用者様の障がいや精神疾患・難病と、その特性、どんな配慮が必要かを見やすくまとめた資料を用意します。
事業所では直接の上司のほか、必要であれば一緒に働く従業員のみなさんにもレクチャーを行うなど、さまざまなサポートを行っています。
従業員のみなさんに特性を理解してもらうことで、支援事業所がサポートに訪れることや、病院での診察などでお休みする必要があることなども知ってもらえます。
企業側にとって、障がいや精神疾患・難病を持つ方は「どのように扱うべきか分からない」存在であることが多いのです。
そこで、こちらから「こういった特性があります。こうした配慮があると、みなさんと同じように働くことができます」と情報を開示することで、両者の間にあるカーテンを開くことにつながります。
就労移行支援・就労定着支援への理解・協力
健常な方にとって、就労移行支援や就労定着支援はまだまだ耳慣れない社会福祉サービスです。
そこで、ご利用者様の特性とともに、利用している就労移行支援や就労定着支援がどういったサービスで、どう職場と関わっていくのかも紹介します。
職場を監視する機関では決してないことと、障がいをお持ちの方々の特性や能力をしっかり理解してもらうことで、就職後も続く支援はぐっと進めやすくなります。
能力・特性を発揮できる仕事への配置
障がいや精神疾患・難病がある、体力や精神力が長時間もたないという情報が先行すると、簡単な作業内容の仕事しか与えられないケースもあります。
障がいや精神疾患・難病を持つ方々にとって、本来の能力や特性を発揮できない簡単すぎる作業は、やる気の喪失につながってしまいます。
できること、できないこと、能力や特性をきちんと周囲に理解してもらうことで、適所で働くチャンスもぐんと多くなります。
能力・特性に応じた評価や昇進・昇格
障がいや精神疾患・難病があるという先入観で、能力に応じた仕事が与えられなかった結果、正当に評価されず、昇進や昇格できないということもあります。
最初から能力や得意な分野を知ってもらい、苦手なことを理解してもらうことで合理的に仕事を進められるようになり、能力や仕事量に応じた評価を得られるようになっていきます。
休みが取りやすいことの重要性を理解
障害者雇用枠で就職した場合、他の社員よりも休みが取りやすいというメリットがあります。
支援事業所や通院、体調の変化などで、どうしても仕事を休まなければならない日、時間が多くなってしまうからです。
理解がない職場では休みを取ることが難しかったり、休みがもらえても他の従業員から「なぜ彼、彼女だけ休みがもらえるんだ」と疑念を抱かれたりする可能性があります。
しかし通院や休養の必要性をきちんと理解してもらうことで、周囲の従業員からの圧を軽減し、人間関係の悪化を防ぐことに役立ちます。
コミュニケーションが難点であることへの理解と配慮
発達障害を持っている方の場合、周囲の人とうまくコミュニケーションを取れないことや、突然の予定変更に対応しきれないことがあります。
そういった特性も、周囲に告知し、合理的配慮を前もってお願いしておけば、コミュニケーションの部分の苦手さを理解してもらえる可能性も高くなります。
また突然の予定変更が入ることを、あらかじめ教えてもらうことで「予定変更がある仕事」ということを事前に知りパニックにならずに済むなど、さまざまな支援が期待できます。
支援機関との連携をとる
就労移行支援や就労定着支援を活用すると、支援機関が就職先の企業と連携をはかるため、支援員が訪問したりします。
職場への支援員訪問も、事前に周囲に告知しておけば「○○さんの通っている事業所の人だな」と分かってもらえます。
また「どう話しかければコミュニケーションが取りやすくなるか」「どう指示を出せば委縮せずに理解してもらえるか」など、企業側の相談にも支援員は応じています。
ご利用者様、企業・職場それぞれの不安や疑問を、支援員が間に入って聞き、対策をともに考えることで、穏やかに、そして合理的にお互いにとってよりよい環境づくりが進められるようになるのです。
障がいを持つ社員本人の希望への考慮
多様化社会、ダイバーシティという言葉をよく聞くようになりましたが、まだまだ身近に障がいや精神疾患・難病を持つ方がいる、という人は少数派でしょう。
そして「差別してはいけない、傷つけたり失礼なことを言ってはいけない」という思いやりの気持ちがあればこそ、どうしても交流が遠慮がちになってしまうことも少なくありません。
健常者同士であれば「これから取りたい資格とかある?」「どういうキャリアアップを考えている?」など気軽に聞けることでも、ちょっと遠慮してしまうという方が多いのです。
しかし、当然のことながら障がいや精神疾患・難病を持つ方々にも、就労する以上さまざまな夢や希望があります。
そこで、障がいや精神疾患・難病を持つ方々本人の希望や考えている将来のことなどについても、支援員が間に入って上司などに伝えることで、スキルアップのチャンスも増えます。
また支援員が職場を訪れる際に、そういった疑問を投げかけていただける機会も増えるのです。
ディンクル就職支援センターを利用するご利用者様・企業側ふたつのメリット
ディンクル就職支援センターを利用すると、ご利用者様と企業、それぞれにメリットが生まれます。
ご利用者様には、一貫した安定的な支援で、就業の定着・安定をはかっていけるというメリットです。
ディンクル就職支援センターでは、特定相談支援から就労移行支援、就労定着支援を一連の流れとして行うことが可能です。
その都度別の支援事業所に依頼する必要がなく、通いなれた事業所や信頼感が生まれているスタッフ・支援員が寄り添うため、不安や悩みも打ち明けやすい雰囲気に溢れています。
また企業にとっては、ご利用者様をしっかり理解している支援員が間に入ることで、合理的配慮がしやすくなるというメリットがあります。
ディンクル就職支援センターを利用することで、就職に向けた訓練を生活リズムづくりから地道に行い、さらに3年半以上という安定した就業を目指すことも可能になります。
就職と障がいや精神疾患・難病といった特性でお困りのみなさま、悩みを抱え込まず、まずはディンクル就職支援センターにご相談ください。